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定期ゼミレポート Vol.9

固定ドで短調をどう読むか その4

大切なことは…
短調の主音を “ド” と読むか “ラ” と読むか?この問題を、安易に正解・不正解で論じることはできない。…が、其々の読み方のメリット&デメリットを熟知した上で、自分の方法を持っておく必要はある。そもそも、なぜ時間をかけてこのようなテーマを取り上げたか?それは、この問題を考える過程に、「音」を聴き取る(感じ取る)ための非常に本質的なことが、含まれているから。読譜で重要なのは、“どう読むか” ではなく “どう聴こえるか” である。

ディスカッション:譜読みって何?
実は、これがクラシック音楽の永遠のテーマだったりする。この答えには、回答者の音楽観が垣間見れて興味深い。ずっと以前テーマにしていた「譜読みとその段階」。折を見てあれをリバイバルするのも良いかな…

【楽曲分析】Burgmüller「Ave Maria」

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単純三部形式(+Coda)/4分の3拍子/イ長調
終止法の考察:15‐16小節, 25‐28小節
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Ave Maria 楽曲分析のプレゼン

この曲は、「終止法」についての興味深い内容を含む。前回の講義の復習兼ねて、出てきた意見をもとに掘り下げてみる。案の定色々な意見が出て面白い。想定外も…あるある…(笑)

楽曲分析=演奏の設計図
楽曲分析の方法について、中学生から「どうやってやるのですか?」との事前質問があったが、特別な “きまり” はない。単純に、自分が理解していること、演奏に必要なことを楽譜に書き込む。演奏家の楽曲分析とは、理論のためのそれでなく、自分の演奏の設計図を書くこと。この設計図の作成こそが、譜読みの出発点となる。
しかし、この曲よくできてる💞。作曲家との対話は、いつも感動的!

【実習】作曲・即興

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基礎楽式/終止法の応用
課題:バイエルNr.8,ブルグミュラー Ave Maria
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終止法の活用…当然これは、基礎楽式の応用でもある。初歩教材を使ってパズル感覚で遊びたいところ…だけど、案外、難しく考え過ぎてシンプルな答えが出てこない。条件を簡素化するほど撃沈→爆笑の∞ループ…(⌒艸⌒)。
理論は実践で使い熟せてこそ意味がある。使い熟す…つまり、なんとなく…ではなく、明確に意図を持ってということ。結局基礎が全て。基礎を使い熟せれば、応用範囲はいやでも広がる。

♪ バイエル 8番 ハ長調
まずは、単純2部形式のこの曲の、既存の終止形を他の終止形に書き換える。まず、半終止⇔全終止でウォーミングアップ。一歩進んで、女性終止を使ったり、移旋してフリギア終止を取り入れる。更に応用として、2部形式→3部形式に書き換えるなど…。

♪ ブルグミュラー:Ave Maria
こちらは、形式も3部形式となり題材としてのランクは高い。同様に、終止法を変えてフレーズを拡大したり縮小したり…。改作して遊んでみることで、色々な発見がある。

後日受講生の一人が、“質問があります…”と、大学時代に使っていた和声のテキストを持ってきた。こうして自発的に物事を深めいけば、いつか必ず宝物が見つかる。そして、間違いなく音楽は今よりもっともっと楽しくなる💕

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