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定期ゼミレポート Vol.3

「和声」に一段落、今日から「楽式」に入っていく。「楽式」については、これまで自分がレッスンで、あまり触れずにきたことへの大きな反省がある。まずは、足元から。そして最終的に目指すところは、対位法作品の楽曲分析。

【楽式】基礎楽式

フレーズ:動機/小楽節/大楽節
この問題は、ミクロな視点よりも、マクロな視点から理解する方が解り易いように思う。まずは、漠然と使われることの多い “フレーズ” の定義。フレーズ:メロディーのひと纏まり。フレーズには、大フレーズと小フレーズがあり、楽式論では “大楽節” “小楽節” とも呼ぶ。

大楽節⇒ メロディーのひと纏まり。言葉に喩えれば「文」にあたる。
小楽節⇒ 大楽節の半ばで一区切りの
所(文中の句点)まで。つまり、大楽節楽節、小楽節。
動機 音楽の最小単位(音楽の三要素を備える) 人間の体の細胞のようなもの。

今ここに、4+4=8 フレーズの基本のテンプレートを作ってみる。小楽節(4小節/半終止)+小楽節(4小節/全終止)=大楽節(8小節)  バイエル教則本第1番バリエーションのテーマがは、このひな形通り。そしてこれを原点として、拡大、反復、延長…などで、フレーズが変化・発展していくと考えると解り易い。例外は普通にある。

一部形式
一部形式…という言葉が、意外に聞き慣れないようで、「一部形式っていっうのがあるのですか?」という声が聞こえてくる。一部形式=大楽節のこと。ワンフレーズ(一つの大楽節)のみの楽曲が、一部形式の曲ということになる。上記バイエル1番のテーマの他、易しい童謡に多い。例えば、“春が来た” “ぞうさん” “海” 等々。バリエーションと言えば、Beethoven「32の変奏曲 ハ短調」のテーマもい一部形式。

単純二部形式
一部形式が理解できればその先は単純で、二部形式=大楽節(8)+大楽節(8) ということ。一番目の大楽節の終止形は、当然、充分終止よりも不充分終止の方が多くなる(“ちょうちょ”
“春の小川”…等) 。二部形式の型は、A-A’型A-B型 に大別できる。このうち、二つのフレーズに関係性を持たせるため、A-A’型が好まれる。バイエル教則本の上巻は、大半が単純二部形式で書かれている。

【実習】作曲

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一部形式と二部形式の実用
課題①:主題の創作
課題②:チューリップ🌷🌷🌷
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実習で、理論を使えるものに!

♪ 一部形式の曲を作曲
①基本のテンプレにあてはめて、4+4=8小節の自作主題を作曲。後で手を加えるので、単純なもの。シンプルなものを創るのは、却って難しかったりする(笑)。
②できた曲を単純二部形式に拡大する。この時、“A-A’型で書くなら、二つのフレーズにどのような関係性を持たせるか?” “A-B型で書くなら二つのフレーズをどう対比していくか?” が創作の観点。当然、終止形や旋律線は、当初のものから変更した方が良い場合も出てくる。


♪ 即興:一部形式⇒二部形式

今度は応用問題。楽譜は書かず即興。4小節のコーダを持つ一部形式の「チューリップ」を、単純二部形式に改作。この時、ヤマ勘に頼らず、予め練習したように、“二つのフレーズの関係性” を考えて、全体をどのように構築するかを充分にプランする。考えどころは付加された最後の4小節をどう処理するか? 撤廃する?加工して生かす?可能性は無限にある。これは、最高に楽しい💕パズル🧩なのだ(笑)。

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