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定期ゼミレポート Vol.11

第二期スタート!テーマを “和声と楽式” から “バロック導入” に更新。「バッハ:インベンション」解釈のための、具体的な下準備を進めていく。今回よりGoogleスライド(PowerPoint)とJamboardを導入し、システムもグレードアップ!

【音楽史】J.S.Bachの息子たち

Googleスライドを使った講義

スライドによる楽しい音楽史
「音楽史、とりわけ作曲家たちの繋がりや裏話的なことが知りたい」…という要望があったので、新たに音楽史の項目を設けた。講義には、受講生の提案でGoogleスライドを採用。伝えたいことを、文字以外の様々な手段で視覚化できるので、情報量が増えて説明が捗る。受講生からも、「画面を見ながらノートを取れる」「PDF資料を見ながらよりもずっとわかり易い」など好評。何より、「すごく楽しかった!」という声がとても嬉しい。

地図や図形を使うとわかり易い

テーマは “バッハの息子たち
敢えて王道から離れたところで、テーマを選んでみた。音楽の父 J.S.Bachの業績について知らない人はいないけれど、その息子たちが、来るべく時代の到来に大きな役割を演じたことは、あまり知られていない。歴史の面白味は、歴史と歴史を繋いでいく過渡期にあったりする。スライドの流れは、「J.S.Bachた住んだ街」からはじまり、長男 ⇒ 次男 ⇒ 七男 ⇒ 九男 と順次進めていく。

つい時間を…
4人の息子を30分くらいのつもりだったのだけど、これが大誤算…💦。次男カール・フィリップ・エマヌエルに辿り着いた頃、既に1時間経過していることに気づく(笑)。仕方ないので途中で打ち切り、続きは次回のお楽しみ!

【講義】フーガの解釈(導入篇)

インベンションに繋がる道
さて、インベンションに繋がる道を本格的に進めていく。これまで、バロック導入として、メヌエットやジーグなどの舞曲は、再三再四テーマに取り上げてきた。けれど、これらの作品が即インベンションに繋がるかというと、そうはいかない。テーマを展開していく対位法作品であるインベンションを理解し、一定レヴェルの演奏ができるようになるためには、もっと専門的な下準備が大量に必要となる。これまで一年かけて 🔗“和声と楽式” をテーマとしてきたのも、実はそのため。

フーガの作法
少し高度な話になるが、実はインベンションには応用的要素が非常に多い。このことは、市田義一郎先生の著作「インベンションとシンフォニア」にも、執筆後の回想として綴られていて、その一節は非常に感慨深い。結論から言えば、インベンションの理解(解釈)には、その大前提としてフーガの知識が不可欠になるつまり、フーガの作法を知らなければ、インベンションはどこまでも曖昧模糊としたものでしかあり得ない。…とは言っても、いきなり平均律から…となると、それもハードルが高過ぎる。では、一体どのようにして、無理なくインベンションへの足掛かりを築いてもらえるだろうか…?私は、これを長い間模索してきた。

Jamboardを使用して解説

フーガの入り口になる教材
そんな中で出会ったのが、🔗ローリー(Alec.
Lowley:英 1892~1958) 🔗5つのミニチュアフーガ日下部憲夫氏編集「プレ・インベンション」の冒頭に置かれているこの作品は、バロック音楽を知らない初歩レヴェルの人が、“フーガ” を知るのに大変有益な教材になる。この技術的に平易な二声帯の5曲を通して、まず何はさておきフーガの解釈に必要な、テーマの展開技法を学ぶことができる。大切なことは、>音を並べるだけでなく、フーガについての理解を深めることやがてインベンションに入る時、その知識がフルに生かせるように。

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